筋肉少女帯ライブ・過去日記アーカイブ(1989〜)

筋肉少女帯の活動履歴、ライブ感想などを記録したアーカイブです。(非公式)

*【筋少ファン日記のあゆみ】

*【2003年発行「筋肉少女帯の活動記録1979〜2003」無料DL】

(113ページ PDF書籍 ディスコグラフィー・ライブレポート)

筋肉少女帯@CLUB CITTA'

・オフィシャルレポート
www.barks.jp

Debut35th カウントダウン シリーズ ファイナル『UFOと恋人』発売30年記念再現+XXライブ

93年にリリースされたアルバムの再現ライブで、アルバムの曲順通りに、新曲と数曲を加えたセットリストでした。アルバムの曲順はこの通り。

おサル音頭 ~BORN TO BE WILD~
暴いておやりよ ドルバッキー
くるくる少女
高円寺心中
ひまわり
きらめき
君よ!俺で変われ!
俺の罪
アンクレット
パレードの日、影男を密かに消せ!
タイアップ
バトル野郎~100万人の兄貴~ (HAUS dog house mix)
バラード弾問答

オフィシャルレポのライターさんが、デビュー時期からよく雑誌記事で見てた方なので、リリース当時の時代や状況をよく知っていることが伺えて感慨深いものがありました。
30年も前なので当時はスマホ携帯は無い時代で、だけど筋少曲は古さレトロといった感じではない普遍的な良さがあって、現在もライブで披露されて聴けることがとても感激でした。クラブチッタ筋少デビュー当時からあった会場で同じ場所にあることが嬉しい。年とともに無くなっていく会場も多いので。
アルバム前作「エリーゼのために」から、筋少においちゃん曲が登場してサウンドの幅が広がって、UFOと恋人ではより広げられたチャレンジや遊び心があるように思えました。それで1曲目が音頭っていうのが当時から挑戦的すぎるとオモシロ話にしてるという。今回はライブ入場と同時に流して、実質1曲目の演奏がドルバッキー。続く「くるくる少女」もずっとライブで定番に入っている曲。
「高円寺心中」は今度出るオールタイムベストで再録に選ばれた曲で語りも再現されて、何年かぶりにライブで聴けました。バンドブーム時代の恋人同士を語った、物語がリアルに感じられるようです。
オーケンが30年前生まれてなかった方はいないでしょうねって言ってたけど、2世代でファンもいると思うので多分いると思いますし、まだリリース時には幼少だったり筋少知らなかった方もいると思います。メンバーは20代後半で、当時のライブスケジュールを見るとこんなにやってたんだって驚くし、ライブ後に打ち上げで飲んでたっていうのも、今はありえないとオーケン言ってて、今ではフルライブやった翌日は熱出してロキソニン飲んで、両足にしっぷはって2日間寝込んで爆笑問題のラジオ聴いてるからっていう。なのでもうフルライブはやめようとオーケンは考えていたそうなのだが、先週のアルバム再現ライブの日の翌日はそこまで負担がなかったそうで、セットリストで激しい曲を続けたりしなければ、まだまだいける!やりますよ!と意気込んでました。
活動休止時期があったけど長くはないし、再開してもう10年以上は経つし頻度は減っても筋少ライブは続けているので、もとからクオリティの高い演奏とパフォーマンスが継続しているのは凄いことです。
コロナ感染の影響で3年あまり制限されていたので、声出しができるようになって活気が戻ってきたのも嬉しい空気が全体にありました。オーケンがお客さんを歌わせるようにと、海援隊のライブ映像を見た様子を説明して歌声喫茶みたいに合唱した「ひまわり」続いて「きらめき」は優しさと風景の美しさが現れるような曲で、ツインギターが並んでお手振りのかわいい長いアウトロが好き。
A面終わり!とオーケンが言って休憩タイムになりメンバー退場、またおサル音頭がBGMに流れる。曲終わってすぐに着替えて戻ってきた。椅子があると座れて客も助かります。
30年前の当時の思い出はありますか、とオーケンが各メンバーに問いかけるテーマトークでは、おいちゃんが池袋サンシャインでサイン会やったよねっていう話。今もよくイベントやってる噴水広場で、行った記憶あります。今や信じられないけど勝手に回りでファンが写真撮ってたりして自由だった。
ふーみんはNHKホールでライブをやった話で、当時はふーみんが仕事に遅刻が多くて罰金を取られており、それが溜まったから他メンバーが「橘高の嫌がることに使おう」と相談してステージ特効に花火とパンダの着ぐるみを出そうといって、その花火がパンダが出た時もかかって燃えたんだよ、それを見たんだよ!とおいちゃんが証言。パンダが燃える隣でギターを弾いた唯一のギタリストだとふーみんに言われてた。そんなことあったのかーと自分はそのライブに言ったけど記憶になく、当時の日記を見返したんだけど、NHKホールはUFOと恋人のリリース前で1992年の9月、おいちゃんバースデーをステージでお祝いしたらしいのと、自分の感想もしょうもないことしか書いてない。
アルバム後半に「君俺」の印象的なイントロが長めにかかった。当時シングル曲でその後もずっとライブ定番に入っているエモさが高い曲。
「俺の罪」はGS風でちょいちょいやるライブ人気曲であるが、当時の制作裏話をおいちゃんがしてくれて、GS風歌謡曲が流行ってたのでプロデューサーの佐久間さんが一緒にGSバンドを組もうとしてたんけど、いつの間になくなったそうだ。
続く「アンクレット」作曲の橘高さんが歌うバージョンもライブでやるようになった、切なく激しくかっこいい曲だ。女子視点の歌詞が、当時オーケンが橘高ファンの女子をイメージしたって言ってたのが印象的で、オーケンがソロカバーしたゼルダ曲がオマージュになっている。
そして「影男」がいよいよ始まった。イントロの荘厳なメロティに橘高さんのギターが重なると重厚なハードプログレで、独白するようなオーケンの歌が静かにゆっくりと進んで音が広がっていく。若者の苦悩やもがいて抑圧から脱する様に、最後の語りも再現されて感激しました。これも筋少曲の魅力である重要な要素なので。
それに対してギャップのふり幅が凄い「タイアップ」も筋少ならではって感じで、最近では珍しくはないけど、当時のメジャー曲でこんなに皮肉ってはじけてるのはあまり無いと思う。それにライブではレア中のレアだったのですごく楽しかった!当時もなんだこりゃって感じだったけど面白かったです。
対して「バトル野郎」はシングル曲のライブ定番曲で鉄板の楽しさ。そしてアルバムの最後に「バラード弾問答」もかなりレアで、オーケンとうっちーがそれぞれの語りも再現され、なぜか関西弁のオーケンの語りもそのまま。曲終わったあとにオーケンが問いかけの答えはネクストアルバムに入れるわって言ってるのに、次のアルバムで答えないよね~と話してた。当時は不思議だったけど自分の解釈で、次のレティクル座妄想がその答えになってるなって思ってました。
アルバム再現が終わって、ライブ本編最後に、近年の筋少ライブでド定番となった「ディオネア・フューチャー」で盛り上げて締めて、アンコールで今度出るベストアルバムに入る新曲の「50を過ぎたらバンドはアイドル」を披露。自分は初めて聴いたので歌詞はよく聞き取れなかったから発売を楽しみにしてます。特に昭和アイドル風で各メンバーのソロ歌唱パート。
ふーみんがMCで、前回のライブと同じ話をしだしたことをオーケンにつっこまれ、ファンに対しておまえら客のプロだろう~?(だから聞いた話でも初めてきいたように盛り上がれよっていう感じ)って言い方がロックのMCでパワハラみたいだよねってオーケンに言われてマネして楽しんでるのが、わりと昔からヴィジュアル系でありがちな感じなのはファンの先輩や彼氏みたいな頼れる親しみのある感じが現れてるからだって思って、オーケンは通常MCでは「お客さん」って言い方で丁寧なんだけど、「おまえらー」って言ってロックバンドをすることの愛情や楽しさが伝わるようでした。
最後はデビューから不変の定番「釈迦」で締めで、メンバー退場時に挨拶する中でうっちーが、今日のMCでオーケンが学生の頃から「幽霊の声がする曲」のネタを面白がってたって話題で話が長くてしつこいのが、昔のライブMCを思わせるようだったってひとこと言って微笑ましかったです。ふーみんが筋少にも1曲だけ幽霊の声がするのに気づいたって話をしていて、でも言っちゃうとそのことがイメージ強くついてしまうのが困るから言わないっていうのも拘りがあるふーみんらしい。そこをオーケンが「それは橘高君にしか聞こえないのかもよ?」って言って、ふーみんが「それはもっと怖い!」って怯えさせてたのが面白かった。オーケンさすがオカルト好きで一枚上手だった。