筋肉少女帯ライブ・過去日記アーカイブ(1989〜)

筋肉少女帯の活動履歴、ライブ感想などを記録したアーカイブです。(非公式)

アルバム「ザ・シサ」発売日

今回はインストアイベントが無かったので、一通り聴いたところでの印象と感想をざっくりとメモ。

昨年発売アルバム「Future!」のインストアと感想メモ
筋肉少女帯@タワーレコード新宿店 インストアイベント - 筋肉少女帯ライブ・過去日記アーカイブ(1989〜)

ツアーもまだ行ってないので、ライブで聴くとまた印象が変わったり思い入れができたり、楽しみ方が増えたりして進化していくんだろうなと思います。

去年フルアルバムが出たのに、また今年も出すとは思わなくて今年春の発表の時に驚いた。
覚えてないけどオリジナルアルバム何枚目? デビューの仏陀Lから数えて19枚目らしい。メジャー30周年だから企画物とか出るのかなって思ったのに、新曲アルバムなんだって(笑)

自分には考察記事を書くほどの能力はないし、資料とか過去記事とか見直したりする時間もないので、ほぼ記憶とその場の勢いで。
他の人の感想を読む時は、その方がどういう背景なのかを知りたいと思う。筋少を知ったきっかけとか、他に聞いてきた音楽とか趣味とかで違いがあるから面白いと思う。筋少聴く人は年齢も幅広いし、特にオーケンのおかげで耳に入るジャンルも幅広いと思う。

私はおいちゃんとふーみんが加入した29.5年前とほぼ同時期に聴き出して、活動停止で一時期遠ざかってたけど復活してからまた戻ってきて、そのまま新作が出るたびに聴いて好きになって、離れることはなくなった。
昔からよくあるのは、デビューから数作は好きではまったけどだんだん飽きたり、最初ほど好きにならずに聴かなくなるパターンとか、停止や解散から復活して新作が出て、やはり初期ほどははまらなくて遠ざかっていくケースがあるんだけど、筋少はそれに当てはまらなかったのがすごい。復活してからの活動の方がデビューから停止までの期間を超えてますます成熟していると思う。
それでもロックバンドや音楽業界全体を取り巻く事情は年々変化していくから、10年前よりは変わっていることもある。前に出ていた雑誌媒体いくつかが、筋少を取り上げなくなったとか。若い世代のロックバンドだけじゃなくて、アイドルや俳優や声優とかジャンルも広がっている。筋少が活動してきた期間にもどんどん出てくるし、いなくなったりもする。
私が若いころに好きになったバンドの中で活動続けているのは少ない。有頂天とか復活したバンドもあるけれど、多くはいなくなったり亡くなってしまったり、復活しても数年でまた停止したバンドもある。
そんな中で、継続的に活動して(ソロや別バンドも並行して)動員も安定している(減ったりしないし、急激に増えたりもしない)ただし、復活前のように全国ツアーをすることはもう無さそうというのは、3都市の他の地方のファンには残念だと思う。だけど、こうして継続的にライブをできていることだけでも良かった。活動停止の時のようにメンバーがバラバラになる心配はないけれど、今度は50歳を過ぎもはや還暦を迎えようとするわけで、健康のほうが心配である。

持てる能力を余すことなく発揮して、過去作を振り返り踏襲しつつさらに新しい地平を切り開いて、次の次元へ行っているニューアルバムを含めて、サブスク解禁された全作品をこれからも大事に想い聴き続けていこうと思います。
ライブでどう進化するのも楽しみであるけど、新曲が増えたことでまた既存曲のライブ演奏レア度が上がってしまったのも歯がゆい気持ちではあります。もっとライブの回数があればと思うけど、そんなに無茶はいえない。

30年をざっと記憶で振り返ると、インディーズブームから、デビュー時から2年間くらいの平成1年バンドブームがあって、次は90年くらいからのV系ブームがあった。それを乗り越えたが2000年で休止して、復活した2006年からは音楽フェスが成熟していくころだった。ユニコーンX Japanが復活した。V系ジャンルの成熟、筋少の音楽に影響されたバンドの登場があった。それからアニソン文化の成熟に、オーケンが作ってきた作品からの影響があった。ドラムは脱退してしまったけどエディがサポートに入って長谷川さんが固定サポートになって、楽曲の中枢は変わらない。
その間に自分はクリエイティブなことはできないし出世とか成長もない。歳とっただけで。ただ波はあっても筋少はずっと聞いていたというだけ。

1、セレブレーション
筋少楽曲のオープニングとして、ライブのスタートでもある、ファンにはおなじみの鳴らし。
ふーみん曲かと思いきやおいちゃん作曲で、最初に思ったけどアンセム的なロックのインスト曲だと。王道じゃないと見せかけて実はロックの王道サウンドがどっしりと基盤にあるのが筋少のロックだと思う。

2、 I, 頭屋
「サーチライト」から汲む、復活後では「オーディエンス・イズ・ゴッド」や「オーケントレイン」にあたる、リズミカルでファンキーなおいちゃん曲。掛け合いがあってライブで楽しそう。歌詞はオーケンがバンドのボーカルやってるっていう物語をオカルト漫画のように表現している。女の子に代わりをさせようっていう展開のところは、以前あった筋少曲を題材に造られた演劇で水野美紀さんがオーケンのコスプレしたキービジュアルがあったのを思い出して、それで水野さんも今や出産されたなと。
なんか巻き込まれてロックバンドやってて運命に突き動かされてる男と、追いかけるファンの相互関係で運命を感じるようなところだった。
オーケンはこの歳になって、メタルとかラウドとかはもういいよって思って筋少からは気持ちが離れてくんじゃないかっていう心配はあったんだけども、それはそれであっても本当は違っていて、メンバーと作る筋少の音楽を信頼してるしロックを愛しているんだなと感じた。

3、衝撃のアウトサイダー・アート
世間からはぐれた運命の二人というテーマに切ない系の疾走感のあるメロディ、リフが絡んでがっつりはまる曲。「機械」とか「トリフィド」とか「ゾロ目」系は、また筋少のど真ん中だと思うし、ライブでもきっと盛り上がりそう。コーラスの繰り返しがまた王道だし、終わり方とかもアニソンぽい気がするけどどれが近いのかは分からない。

4、オカルト
これが今回のリード曲なのが、やりたい放題って感じでよい。おいちゃん曲でインタビューによるとオーケンが提案したバングラビートを取り入れてオカルトってテーマでロックに胡散臭さが混ざって面白い。歌詞もまた物語で人類すぐ滅びるし、人類救うよりも彼女欲しい男でオチも短編SFふう。

5、ゾンビリバー~Row your boat
今回のふーみん高速メタル曲枠で、それに歌詞も高速の濁流と滝になってさらに速くなり海に流れるっていうイメージががっつりはまっている。
ゾンビリバーはもともとオーケンのステーシーからの短編でファンにはイメージが頭に残っている。Row your boatっていうワードは海外の童謡で、洋楽のイメージもさせる。口にだして楽しいワードは「野方」はオーケンの地元で「ゴンヌズバー」は昔からオーケンエッセイで使われてたおもしろワード(ご開帳的な意味あい)「でも、やるんだよ」は根本敬氏の著作からの名言。
ふーみん高速ソロとエディのピアノ激ソロのかけあいもライブが楽しみ。さらに間奏でのメンバー小芝居が入ったのが最高に楽しい(笑)ドリフ直撃世代だから後ろ後ろ。

6、なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?
タイトルからサスペンスっぽいのかと思ったら、おいちゃん曲ほっこり横ノリ枠だった。(「星座の名前は言えるかい」や「サイコキラーズラブ」系)ほっこり曲にナンセンス的な問いかけのミスマッチ感が面白いかなと思う。掛け声があるのはライブで楽しいだろうな。
歌詞は深く考えなくてもいいけど、まともに考えると殺人そのものがダメだし。語り手は恋人を殺した女性の友達っていう設定で、殺した男を愛しすぎたと思ってちょっと羨ましいとも思っている。好きだったっていう解釈もあるけど、そんなに人を愛することができるのはある意味羨ましいという感じ。ダメな理由をスーツ買いに行かなくちゃならなくさせるの面倒じゃん的なのを言ってるけど、そんな恐ろしくもある愛情ってなんなのかと。それを、ちょっと視点を変えてみたら的なエクスキューズ? 殺人ってよく親族とか恋人とかで起きるよね実際に。それとかストーカーもあるし。そんなん本当は知りたくないから。

7、宇宙の法則
ふーみん曲バラードだけど新しいアプローチな感じ。横ノリでじっくりと深く歌うボーカルにギターのメロディとピアノの旋律がすべてが美しくて切ない。メタルやラウド系とひとくくりにできない、また全く違うことができるのが筋少だなと。
歌詞の風景がまたきれいで、日が暮れて夜更けから深夜、朝を待つという流れの中で、短編のオムニバスのように若いカップルと孤独な老人、少年が登場する。来世でまた逢いましょうっていうのは全作からのテーマが続いている。ラストのフレーズがまた綺麗で切なくて好き。宇宙の法則っていうワードも好きだし、スピ系ぽいけどそこにはまってはいない。「何もいいことはない」って自分もよく思っちゃうから心を寄せるんだけど、その反対に「いいことしか起こらない」っていう念もオーケンの世界にあることを知っている。悲しいことが起きるけれど、絶望して死なないよう、生きてく為に、負けずに希望を持つように。

8、マリリン・モンロー・リターンズ
ふーみんがナタリーのインタビューで言ってたけど、昔にヘイユウブルースのカバーやるなら辞める事件があって、オーケンがやりたかったブルースに語りっていう曲をやろうとふーみんが作った曲。ふーみんギターのブルージーが爆発。さらに後半は別の曲として考えてたのを合体させたそうで激しくなる。
歌詞はオーケンがイタコのネタを出してきて、昔マリリンモンローノーリターンって歌があったのを逆にしたテクニック。モテ男にしかわからなさそうな話だと、モテない男にしたら分からんからちょっと嫌かもしれないと思った。マリリンモンローが大統領にハッピーバースデー歌ったっていう伝説は今やどの年代までわかるのかどうか。それを序盤に突如入れてくのが変でカッコイイ。

9、ケンヂのズンドコ節
うっちー曲ここでやっと登場して、さらに異色を放つ存在感。タイトルだけ先に出た時にどんな曲なんだってざわついたが、聴いてみたらビックリ。こりゃ楽しい。曲を聞いてオーケンはズンドコって入れたとかで思わず気持ち良く言いそうだと思った。ワードも気持ちいい感じで、バチカンの金ってかいてあるけど鐘が本当なのかも?と思ったけど。
いい陰謀とわるいんぼうの話はいつだったか忘れたけど、いつかオーケントークのネタにしてた。天使の矢で皆殺し的なネタはノゾミカナエタマエとか妖精対弓道部とかでオーケン得意のワード。考え方と感じ方で、いいようにも悪いようにも捉えられるっていうテーマは、自分が昔から思ってることにも通じると思った。それは自己責任論ってことではない。不幸が起きるのは、環境や運でどうしようもない事がある。でも何もかも他人のせいにするものでもない。
ライブでどんな感じになるか、印象とがらりと変わるかも。ムツオさんはディスコフィーバーな感じで、エニグマは呪術的な感じ、こちらは音頭で盛り上がるっぽいかも。

10、ネクスト・ジェネレーション
オーケン弾き語りで真っ先に披露されて、歌詞がファンの間で物議を醸した(笑)自分も考えたけど、率直すぎるけどオーケンだしなって思った。若いころからやってたバンドが歳とっても若い子に好かれてるのは実際あるし。でもじゃあつきあってもいいかっていうと、そういう事じゃないのでまともに受け止めるものじゃない。
曲はおいちゃんのロックンロールな横ノリ。「香菜」とか、「3歳の花嫁」系のラブソング。

11、セレブレーションの視差
おいちゃんがインストとして作った曲に、オーケンが語りで全部埋めてきてびっくりしたそうだ。オーケンが以前、紹介した映画「パララックス・ビュー」から、その後提供した曲で歌詞を書いた世界観。そういう映画的な美しいシーンに隠れて殺戮が行われるというのが、すぐに思い浮かぶのはオーケンの才能だと思う。それにデビュー30周年のバンドというネタを絡めた。入れ替わったっていうのは、バンドメンバーがほとんど入れ替わって続くバンドは実際によくある(ロティカがそうだし、メタルバンドあるある)それと特撮初期に作った猫かと思ってよく見りゃパン。
それに意味があるのかどうか、問いかけて、視差というテーマを投げてその逆であるかも、そのまた逆かもと、一つの回答は出すけれども、断言しないところがらしいと思う。
それはそうと、たまたまジョジョ5部アニメ化で沼が深くなってるところを、マフィアが出てきて街に平和をもたらすのでそこで偶然だけどグッときてしまった(笑)
ロックバンドの30年で泣けてしまった。長いともいえるし、もっと活動しているバンドもあるからまだまだとも言える。
曲はおいちゃんで、オープニングからリンクするメロディとそこから広がる幸せな感じは、「世界中のラブソングが君を」に通じる感じ。祝福の音楽とオーケンが最初に言って、リスナーの脳に鳴り続けるイメージなのが良い。

12、パララックスの視差
うっちー曲の2曲目がラストを飾る。カッコイイとしか言いようがない(笑)他にどこにも無いけれど、懐かしさがある。プログレと、昭和歌謡曲と、ニューミュージックな風味があって、これがうっちーの趣味そのものって感じ。オーケンの歌い方も、オーケンが子供のころから好きな小椋佳みがあってとてもいい。若いころの歌にはなかった深い味がある。歌詞も井上陽水的な感じな、二人のずれ、すれ違い、微妙な関係。シュールさと優しさがあって染みる。またS4050みたいなレア曲枠になりそうだけども、これも大事にして心にずっと残りそう。