筋肉少女帯ライブ・過去日記アーカイブ(1989〜)

筋肉少女帯の活動履歴、ライブ感想などを記録したアーカイブです。(非公式)

*【筋少ファン日記のあゆみ】

*【2003年発行「筋肉少女帯の活動記録1979〜2003」無料DL】

(113ページ PDF書籍 ディスコグラフィー・ライブレポート)

「筋少ちゃん祭り マッハ!」を終えて

筋少のイベント「筋少ちゃん祭り」その歴史は1992年にさかのぼります。当初は、バンド結成10周年記念イベントとして、パワーステーションで1月から月一回3カ月、ラストに2daysという形式で行われました。それが最初で、それからだいたい年一回のペースでパワステ◯daysイベント、といった形で続けられました。メンバーそれぞれ昔結成していたバンドの再会とか、友人ミュージシャンなどを呼んでのセッションなど、普段のライブではあまり見られない姿が見られる、筋少の魅力をたっぷり楽しめるライブです。それはまた、普段のライブを見たことのある筋少ファンがより一層楽しめる内容でもあり、「ファン感謝デー」のようなものと言えましょう。おそらくこのイベントの原形は、1990年2月の初の武道館ライブの後の4月に行われたパワーステーションライブではなかったのだろうかと思います。私はこのライブは見れなかったのですが、このライブではオーケンがバンド結成当初の衣裳やMCを再現したりするなど、「ファン感謝デー」というべき内容だったそうです。

今回の「筋少ちゃん祭り マッハ!」は2年振りの筋少ちゃん祭りだったんですね。待ってましたって感じでした。1年間オーケンのソロ活動とかありましたから、今年になって筋少としてはひと区切りなのかな、という気がしています。といってもレコード会社移籍の期間があんなに短いとは思わなかったですね。もしかしたらこれからは何年かおきにちょくちょく移籍ってパターンになるのかもしれませんね。
本当に、よく続いてきたなあとしみじみ感じます。ここ最近何度も言いますが、高校生の頃好きになったバンドが現在でもメンバーチェンジもせず活躍しているというのは、私にとって何にもかえがたい幸せな事です。いや、これは私だけでなく、私と同じような、もしくは1ツアー以上続けて聴いてきてファンになっている方々が感じていることなのではと思います。突然解散してしまったり休止してしまうバンドが相継ぐ昨今の状況では、また次の予定が決まるとどんなに嬉しいか。ファンの誰もが思います。ジュンスカ筋少と同時期にデビューしたバンド)でさえ、今度解散してしまうんですから、もう筋少だっていつなくなったっておかしくありません。私はファンになった時からずっとそう思って覚悟してきました(笑)

でも筋少は続けてきました。現在のメンバーになってからもう8年もたっているから、それはもう色々な事がありました(笑)私の記憶だと、今のメンバーになった当初のライブでは、やっぱりお客さんの見ているところの占めてる割合っていうのはオーケンがほとんどだったです。でも当初からオーケン以外のメンバーの魅力も私は注目していて、これがたくさんの人に解って欲しいなあ、と思っていました。それがやっと「月光蟲」ツアー(1991)くらいから注目されはじめて、例えば橘高ちゃんファンなるものが出てきたのもこの頃ですね。
筋少ちゃん祭り」っていうのは、そういうところから出てきたものがけっこうあるんじゃないかなと思います。筋少ファンが、筋少の魅力を見い出したっていうんでしょうか。筋少メンバーが楽しみ、それを見てファンが楽しむ。そしてファンがライブの反応やファンレターなどの意見によって、また筋少メンバーがそれを受け取ってまたライブやアルバムで答えを返してまた楽しませてくれる。そういう繰り返しが続いてきて、「UFOと恋人」(1993)の頃に「コアなファン」って言葉が生まれたんですよね(笑)ライブに何度も通うようなファンが増えてきたっていうことや、筋少メンバー同士と、筋少メンバーとファンとの面白い信頼関係?みたいなものができてきた頃じゃないかなと思います。

筋肉少女帯」というバンドとは?というと、テレビはもちろん雑誌の記事でもそれをはっきりと知ることはできないでしょう。やはり曲を聴いてライブを見てみないと分からないですよね。それぞれ見ているファンの一人一人が一番筋少というバンドの魅力をよく知っている、たとえ筋少メンバーでも、それは筋少ファンのほうが筋少というバンドの本当の良さをよく知っているのではないでしょうか。それは一人一人全員全く同じというわけではありませんが、「筋少ちゃん祭り」を見れば、本当の筋少の良さを感じることができるような気がします。
そして今年の筋少ちゃん祭りは特に、今まで見てきた中でも一番、筋少メンバー皆さんがすごく楽しんでいるように思えました。お客さんとのかけあい、みたいなものもライブの回数をへるごとに絶妙になってくような(笑)こう来たらこうか?こう来るぞ、こうしたらウケるか?みたいな客とメンバーとのさぐいあいがあるようで、毎回おかしくて、そしてとっても嬉しいです。
おそらく筋少のメンバー皆さんが、ファンをとても大切にしているんだなという事がわかります。今回の「カルト曲」「定番曲」のテーマでそれぞれライブをやったことにもあるように、人気がある曲があり、それをずっと求めてきているファンを切り捨てるような事はしたくなくて、大事にしたい、という気持ちですね。

それを思うと、「筋肉少女帯」というのはメンバーの皆さんだけじゃなくて、ライブを見たり曲を聴いたりしているファンも、筋少を作っているんですよ。ここ最近のオーケンの言動をみると、例えば、“神が筋少をお与えになった、だからいかなる事があっても大丈夫。筋少というものがひとつの宗教として成り立つ” という、何だか変な言葉だけれども、何だか私はよく解るんです。筋少メンバーが集まって、ファンが集まった時だけに生まれるとっても楽しい出来事、期待や想像を上回る嬉しさがそこに生まれる。それは以前「筋少力」という言葉をオーケンが使ったようなものなのでは?と思います。ナゴムでもないし、ハードロックでもない。もうすでに、筋少という名前の現象なんです。

大阪のライブの終わりのほうで、オーケンが「お前たちは、まだお客さんだ。人生のお客さんなんだ」などと言ってあおっていました。楽しませてもらうのが当たり前と思っていると。MCを待って静かにしている受け身じゃいけない、観客側からももっとレスポンスを返して、逆にメンバーをあおるような、みんなで楽しもうじゃないかということだと思います。メンバーの皆さんは、何もしないときもキャーっていう歓声がずっとあがっているようなライブが好きだといつも言ってました。コール&レスポンスが他のバンドより楽しい、と言われている筋少ライブですが、オーケンに言わせるとまだまだ、といった感じじゃないですか?こう言われては、やってやろうじゃないの、と思いませんか。今まで以上に楽しいライブにするには、ファンの皆さんが「自分もライブに参加しているんだ」って思う気持ちを持って、ライブを楽しむことが必要でしょう。